映画は人生の扉。移住者の声がカタチになったコミュニティシアター「Cinema Door」

「はじめは世間話として話していたんです。鳥取って映画が見られるところが少ないよねって」

そう話すのは、2026年4月にオープン予定のミニシアター「Cinema Door」の代表、金塚敬子さん。

2024年末、東京から鳥取市に移住してきた。普段はコピーライターの仕事をしている。

「コピーライターの仕事って、場所を選ばないので、地方で静かな暮らしをするのもいいかなと思っていました」

コロナ禍以降、地方で静かに暮らしたいと思うようになった。そこに、親戚に鳥取市の空き家を譲ってもらえることになり、移住を決意した。

 

始まりは、世間話でこぼした本音

 

鳥取市に移り住み、移住者同士の交流会(鳥取ふるさとUI会の交流会)に参加した。

その日に金塚さんが発した一言が、「Cinema Door」開業につながる。

「見たい映画が、鳥取県内では見られなくて。調べてみたら、鳥取市内には常設のミニシアターが一つもないということがわかったんです。じゃあ、つくろうって話になって」

 

鳥取ふるさとUI会の会長であり、金塚さんと共にCinema Doorを立ち上げた竹本さんにも話を聞いた。

「面白そうだから、やりましょかって初めはそんなノリでした。UI会のメンバーの4人で会社を作って始めました。金融、設計、施工作業、クリエイティブと、それぞれの得意分野を持ってて。なんとかここまでやれました。」

竹本さん(左)

「鳥取市にミニシアターができたら面白い」そんな共通の思いを持った4人が集まった。それぞれの経験を生かして、自分たちでできる部分は、できるだけ自分たちで創り上げた。

「みんな初めてなので。頼んだ壁紙が思っていたのと違ったりとか、動きはじめてから困ったこともたくさんありました。でも。みんなポジティブで面白がってなんでもやる人たちだったので、乗り越えられました」と金塚さんは話す。

 

 

コミュニティシアターとしての
Cinema Door

「映画って人の人生を疑似体験できるような、そんな役割があると思うんです。なので『映画は人生の扉』という意味で名付けました」

ロゴデザインと合わせた赤い扉。その先にあるシアタースペース。

 

シアタースペースの座席は、20席程度。

「映画を見終わった後に、ちょっとコミュニケーションがとれる人数ってそれくらいかなって思って。映画の選定も余白があるような、見終わった後に話したくなるような映画を選びたいと思っています。すでに上映が決まっている映画もかなりいいものが揃っているんですよ」

映画を通して、新たな人生に出会い、そしてその場で人とも出会う。

入ってすぐには、カフェスペースもつくった。

「映画を見るほどの時間がない方にもふらっと寄ってもらえるような場所になれたら。年齢も、住んでいる場所も問わず、様々な方が交流できる場にしたいと思っています」

「あとは、高齢者施設の方に来てもらったり、小さなお子さんがいる親子連れが来てもらえる企画なんかもやりたいなと思っています」

単なる映画館ではなく、交流の拠点となるようなコミュニティシアターというコンセプトはCinema Doorの大きな特徴だ。

 

映画で、この街に新しい風を吹かす

最初の一言から、たった1年数か月でCinema Doorはオープンを迎えることになった。

「いろんな方の居場所になれたら」と金塚さんは話す。

かつて2つの映画館があった商店街・川端通りの近くにつくられたミニシアター。

「鳥取で見たい映画が見られない」という一人の思いが、気づけば鳥取市内唯一の常設ミニシアターをつくるプロジェクトになっていた。20席というこぢんまりとした空間だからこそ、映画を見終わった後に自然と言葉が生まれる。世代も、住む場所も違う人たちが、一本の映画をきっかけに言葉を交わす。映画好きにはもちろん、そうでない人にとっても、新しい出会いの場になっていきそうだ。

 

<関連リンク>

Cinema Door ホームページ

https://cinemadoortottori.com/

 

 

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