三条のまちを走る、最先端の公共交通
電話の向こうにいるのは、
足の悪いおばあちゃんかもしれない。
病院帰りの人かもしれない。
学校に行く途中の大学生かもしれない。
そんな人たちの日常に、そっと寄り添うような公共交通が、三条市にはあります。
それが、「AIオンデマンド交通のるーとさんじょう」。

分かりやすくいうと、予約制の乗合タクシー。必要なときに呼べて、利用者どうしでルートをシェアする新しい公共交通です。
いま、地域の暮らしを支える新しい仕組みとして注目されていて、その運営を担っています。
募集するのは、地域の公共交通の運営サポートスタッフ。
「AIオンデマンド交通」を地域の方々に知ってもらい、ご利用いただけるようにしていく活動、移動手段に関する相談、コールセンターのサポートなど、幅広く行っていただきます。
ときには「アプリってどうやって使うの?」と聞かれて、スマホの使い方から案内することもあるし、地域の公共交通説明・相談会でデマンド交通を紹介することもあります。
誰かの暮らしに寄り添い、
「ああ、助かったよ、ありがとう」なんて言葉をもらえる
有意義な仕事です。
何もない、って思ってた。
話を聞いたのは、三条市でタクシーや介護など、暮らしにまつわる事業を展開している会社。
「正直、三条って住んでると”何もない”って思ってしまうこともあります。でも、県外の人から見ると『観光資源あるよね』って言われたりもして。外からの視点っておもしろいですよね」
そう話してくれたのは、運営チームのひとり。
新潟県のちょうど真ん中にある三条市。金物のまちとして知られ、ものづくりの技術が根づいています。山があって、川があって、地元のおいしい食もある。
「三条のこと、もっと知ってもらいたいなって思うんです。外に向けて、まちを知ってもらうきっかけをつくっていきたい。デマンド交通も、その一歩になるかもしれません」
地域と交通の、ハブになる。
AIオンデマンド交通の導入が始まったのは、2023年。
「ちょっと買い物に行きたい」「予約時間に合わせて病院に行きたい」といった声に応え、アプリやLINEなどで呼べる公共交通としてスタートしました。利用者の動きに合わせて、AIが最適なルートを自動で計算して走る仕組みです。
コールセンターには、毎日いろいろな電話がかかってきます。
「スマホで予約できなかったから、電話でお願いしたい」
「病院の帰りにスーパーに寄りたいんだけど、途中下車できる?」
「雨で歩けなくて…今日、乗れる?」

コールセンターのスタッフは
その人の生活にそっと寄り添う相談役のような存在。
「この人は、毎週水曜は通院日だな」
「この地域は雪が降ると出かけにくいな」
なんて、電話口で少しずつ利用者の背景が見えてきます。
のるーとさんじょうのこと、もっと知ってほしい。
今後は、より多くの人にAIオンデマンド交通のるーとさんじょうを使ってもらうため、地域での公共交通説明・相談会や出張体験会なども増やしていく予定です。

アプリの操作を一緒に試したり、スマホを持っていない方には利用方法をわかりやすく伝えたり。
地域の人たちと顔を合わせながら、交通の未来を一緒につくっていく。
そんな役割を担ってもらえたらと思っています。
地域と関わり、一緒につくる
今回の募集では、特定の経験やスキルは問いません。
必要なのは、三条というまちに少しでも興味を持ってもらえること。
そして、地域の人たちに対して、やさしさと敬意をもって関われること。
「地元の人だけじゃなくて、県外から来る人も大歓迎です。その人の視点で、三条の新しい価値に気づけることもある。地域に長くいるからこそ見えにくくなる部分って、ありますから」
一緒に働く人たちは、家族のようなあたたかさがあって、職種や肩書きにとらわれず、手を取り合って仕事を進めています。
未来の地域交通を、一緒につくっていく仲間を待っています。
(2025/2/26 取材 鈴木翠)
