【イベントレポート】鳥取の「いま」と「これから」。現場の声と、新しい拠点から始まる挑戦の未来

本イベントは、鳥取県・鳥取市の行政職員と鳥取大学の教授が登壇し、各機関の取り組みによる現在地と、課題や解決に向けた挑戦・新しい拠点の開業によるビジネスの可能性を紐解くことを目的として開催されました。 

日頃から機関の枠組みを超えた連携体制があるからこその「チーム鳥取」による登壇が実現しました。鳥取の「いま」と「これから」について、現場で動き・向き合う職員と教授の声をお届けします。 

 

◎イベントの様子は、動画でもご覧いただけます 

▶︎前編後編 

 

登壇ゲストの皆さん 左から 

西尾 俊樹さん|鳥取市 経済観光部企業立地・支援課 主任 

山根 雄紀さん|鳥取県 商工労働部 立地戦略課 課長補佐 

遠藤 佑輔先生|鳥取大学 研究推進機構副機構長・教授 

 

鳥取の「いま」:各機関の取り組みの現在地 

鳥取県「大規模雇用から、若者の定住・Uターンにつながる職場作りへ」  

山根さん:鳥取県は、県の製造品出荷額の約2割を鳥取三洋電機の関連が占めるという、いわゆる企業城下町でした。産業の撤退後は、有効求人倍率が0.47まで下がったことに伴い、雇用を生む職場を作ることが課題でした。ですが今は、全国的な人口減少や若い世代の流出による人手不足という課題に変わり、そういった方が勤めたくなるような職場をつくることを意識しています。 

鳥取県の出身で、県外に進学した人の7割がUターンを考えているものの、実際には3割しか帰ってきていない。就きたい仕事が無いことや、知識や資格を活かせる企業が無いといったことが主な理由となっており、やはり若い人の定住やUターンにつながる職場作りが大切だと考えているところです。 

 

鳥取大学「特色ある研究シーズの社会実装、行政との連携で企業誘致につなげる」  

遠藤先生:鳥取大学には、工学部・農学部・地域学部がある湖山キャンパス、医学部のある米子キャンパス、鳥取砂丘に併設された「乾燥地研究センター」があります。他にも特色ある研究拠点を揃えており、研究シーズを産学連携で世の中に実装できないかという取り組みを行っています。 

産学連携の体制として、地域未来共創センター(Tottori uniQ/とっとりユニーク)や私が所属する研究推進機構とっとりNEXTイノベーションイニシアチブがあり、学内の研究シーズを企業マッチング、また、鳥取県・鳥取市さんと連携しながら企業誘致をするというような仕組みができています。 

 

鳥取市「半世紀ぶりの駅前再整備に合わせた、持続可能なまちづくり」 

西尾さん:鳥取市は、人口約17万7千人の、人口最少県の県庁所在地です。生産年齢人口の減少による人手不足や、鳥取駅前の地価が県庁所在地の中で唯一、35年連続で下がり続けていることなど、持続可能なまちづくりへの課題が山積しています。 

鳥取市では、工業団地を中心とした製造系、中心市街地への事務・IT系、温泉資源を活かした農業系、宇宙関連という4つを柱に企業誘致活動を行っています。 

2つめの柱の事務系に関しては、約50年ぶりとなる鳥取駅周辺の再整備に合わせ、まちなかへ若者が就きたくなる職場を作ることを起点にまち全体の再生を図る、「鳥取市まちなか未来創造プロジェクト」を進めています。 

社会課題の解決と収益性の両立を図る企業の誘致など、社会課題に関心の高い近年の若い方にとって魅力のある企業を誘致していきたいと考えています。 

 

鳥取の風土:物理的・精神的な距離の近さ、事業への伴走体制 

<県・大学・市、それぞれの特徴とは >

山根さん:「総合窓口」 

鳥取県は、東京・名古屋・大阪に営業拠点を持っているのですが、一方で各市町村さんは、そういう窓口を持っていません。鳥取で何か新規事業に取り組みたいという話があった際には、フロントとして1番最初に情報をキャッチし、マッチするような市町村さんや、大学の先生とつなぐことが大事な役割になっています。 

 

西尾さん:「連携を超えた癒着関係」 

これは行政間での連携のことで、我々は明るい癒着と言っています。鳥取県の人口が約52万人なのに対し、日本全体で1年間に減少していく数が約55万人です。1年にして鳥取県の人口が丸々減少していくことに危機感を抱えていますし、この狭い鳥取で仲違いしてもいけないということで、連携し企業誘致も一緒になって進めています。 

 

遠藤先生:「オープンな大学」 

人口が少ない鳥取において大学は本当に必要なのか、隣の県・大学と一緒でもいいのではないかと、そういった時代になるなかで、生き残っていくためには特色を出していく必要があると考えています。病院では企業を招いた研究室のラボツアーを行ったり、独自のラジオ番組や広報誌を通して、対外発信を強化したりしています。敷居を低くオープンに、企業や自治体に来ていただける大学です。 

 

<新規立地・オフィス移転への支援制度について> 

山根さん:鳥取県の立地支援として、ロングレンジ型であるという特徴があります。2回目以降は補助率が下がる自治体が大半ですが、鳥取県は2回目以降も変わりません。 

何度でも補助を受けられるという、長いお付き合いをコンセプトにした制度になっています。また、行政間の連携でいえば、市町村の補助金と併用可能という特徴もあります。 

西尾さん:次世代自動車や宇宙関連、まちなかの活性化に寄与する事業も支援の対象になりますので、ぜひご活用いただければと思います。 

 

新拠点から生まれるビジネスの可能性と、まちの変化 

西尾さん:まちなか未来創造プロジェクトについてご説明をさせていただきます。写真にある建物が対象の拠点「鳥取市まちなかビジネス共創スクエア カトカミ」です。 

昔からまちの皆さんに親しまれた、加藤紙店という文房具の小売をされていた会社様の建物です。事業を縮小し遊休不動産となっていた1階から3階部分を、コワーキングスペースとシェアオフィスに改装を進めています。3月末に完了し、4月からのオープンを目指しています。 

 

<このプロジェクトが始まった4つの背景> 

①若い人の県外流出が続いているため、この世代が「ここで働きたい」と思える企業の誘致や、新たな仕事を生み出す取り組みが必要であるため

②中心市街地では空き店舗率が10%以上と高い状況にあることから、こういった既存ストックを活用した企業誘致や仕事づくりが求められているため

③鳥取駅周辺の再整備に合わせ、中心市街地エリアへの人の導線を作るため 

④まちなかの再生に向けた企業誘致、起業・創業支援、働き方改革の戦略に基づく取り組みを進めるための拠点が必要なため 

 

<「カトカミ」の4つの役割> 

①スタートアップを含めた県内外の企業に対して、本市での活動をスタートする際の拠点となる場所を提供する 

②起業・創業・開業を目指す人に対し、悩みや課題に相談に応じる体制を作る 

③次世代を中心とする市民に対して、県内外の企業や起業・創業等の新たな動きに関する情報を発信する 

④県内外の企業や起業・創業を目指す人、次世代を中心とする市民に対が集い・つながり・動き出す機会を提供する 

 

企業が企業を呼ぶ「循環」と「集積」でエリアの価値向上を目指す 

 西尾さん:最後に、将来的なイメージをお話しさせていただきます。 

カトカミに入居していただいた企業様が、入居され続けるということは元々想定しておりません。プロジェクトが始まった背景で申し上げたように、企業様が成長し、まちなかの空き店舗に進出していただくことを目指しています 

これによってカトカミに新たな企業様が入居し、中心市街地への企業の集積が進むことでエリアの価値や地価の上昇につなげていきたいというのが、将来的なイメージです。 

 


 

<本レポートの様子は、動画でもご覧いただけます> 

登壇ゲストの皆さんがカトカミに期待すること、この場所から生まれる交流や未来への想いについてもお話しいただいています。 

▶︎動画はこちらより:前編後編 

 

<お知らせ> 

鳥取の「いま」と「これから」を伝えるイベントを、2月・3月にも開催します。 

◾️第2回:2/12(木)|まちづくりや地域の資源、人材と共に成長する事業の形 

詳細・お申し込みはこちら 

 

◾️第3回:3/4(水)|起業・スタートアップの可能性と伴走支援について 

詳細・お申し込みはこちら 

 

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