20代で鳥取市にUターン、はじめたのは挑戦を応援するお店。

「一度外に出て、外から見た青谷の景色はすごく良い風に映りましたね」

そう語るのは、鳥取市青谷町で「283Crepe(つばさクレープ)」を営む野藤さん。

青谷町出身。一度は大阪に出るも20代のうちに、地元にUターンを決意した。

飲食未経験からキッチンカー開業。

高校卒業後は大阪で建築について学び、そのまま工務店に就職した。就職後は仕事で忙しい日々を送っていたが、結婚や子どもの誕生を経験し、暮らしを考えて地元へUターンを決意した。実家が建築業を営んでいたため、一度は継ぐことも検討した。

しかし、「自分も何か新しく挑戦したい」と思い、地元でキッチンカーを開業。

驚くことに野藤さんには調理経験はない。「とにかく挑戦してみたい」という自分の気持ちに従ってみたという。では何を作って売るのか。

頭に浮かんだのは、大阪で居酒屋を営む野藤さんの義父母が作る焼きそばだ。以前から美味しいと思っていた「この味を青谷町で売ろう」と思い、義父母から秘伝の味を教わった。

義父母に教わった秘伝のソース焼きそば、甘辛いソースと太麺がマッチする

 

コロナ禍でイベントが中止になるなど、キッチンカーの営業は簡単なことではなかった。しかし、自身でイベントを主催するなど、積極的に地元を盛り上げた。当時鳥取では少なかったキッチンカーも、現在は増え、出店者同士のつながりでイベントに参加することがほとんどだそう。

 

「自分たちで一から作る」さらなる挑戦

現在もイベント時にはキッチンカーで出向き、焼きそばや地元、鳥取県産の鶏肉を使った唐揚げの販売もしている。ただ、野藤さんの「やってみたい」という気持ちはとどまることを知らない。

「いつか店舗を持ってみたいという気持ちはずっとありました。ちょうど空き家になる建物があると聞いて、じゃあここを改装しようと思って」

店舗では、商品は焼きそばではなくクレープを選んだ。鳥取県東部に当時競合他社がいなかったこととや店舗のスペース等の理由もあるが、より気軽に食べることのできる商品が良いと判断しクレープを選んだ。

ちなみに野藤さんに焼きそばを教えてくれた義父母も、その後鳥取に移住。「酒楽つばさ」という居酒屋を青谷町で営んでおり、焼きそばはそちらでも楽しむことができる。

開業にあたり、苦労したことは、クレープの生地の配合から焼き加減だという。理想の仕上がりになるまで何度も何度も試し、やっと現在の形に辿り着いた。

初めは「パリッ」だんだん「サクッ」「もちっ」と3食感が楽しめるクレープ

 

こだわりポイントは生地だけではなく、食材も地元鳥取のものをできるだけ使用している。

地元鳥取県産のイチゴをふんだんに使用したクレープ

 

店舗も元々薬局だった場所を、改装して全く違う白を基調とした空間を作った。一部は業者に委託したものの、自分たちでできるところは自分たちの手で行った。

「やりたいと思ったら、やるべきだと思います。人生の時間は限られているので」

野藤さんはやると決めたらやる、有言実行の人だ。取材中も飄々と答えてくれるが、話を聞けば聞くほど内なる熱が伝わってくる。

挑戦する人を応援する店

開業からもうすぐ2年を迎える283Crepeで野藤さんは次なる挑戦を始めた。挑戦する人のサポートだ。

283Crepeでは、定休日に新たに開業したいと考えている人に場所を間貸しをしている。まずは試してみたいという人にとっては、設備が整った場所が使えるのは嬉しい。また、283Crepeのお客さんに知ってもらう機会にもなる。

「何かやってみたいという方の相談を受けることも多くて、そういった形のサポートも今後はやってみたいと思っています」

自身が挑戦を続けているからこそできるお店の形だ。

 

挑戦し続ける理由

283Crepeは2026年3月、島根県松江市に2号店を開業する予定だ。

野藤さんが挑戦をやめない理由は、地元への思いだ。

「鳥取や島根は『山陰』と呼ばれて、山の陰と書くので、暗いイメージを持たれがちですが、美味しいものがたくさんあるので、その良さをギュッと詰め込んだお店を作りたいです」

挑戦を続け、挑戦する人を応援する、そんなつながりが連鎖していってほしい。もし移住をして開業するとしたら、さまざまなリスクが頭をよぎるだろう。そんな時に野藤さんのような存在が力強く背中を押してくれると思った。

 

 

 

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