静岡県磐田市の「地域おこし協力隊」として活動している上村奈央子さん。
2025年8月、福岡県福岡市から移住をした。
「縁もゆかりもない場所に行くなんて、縁でしかないかなと思うんです」

冬の静岡での暖かさに驚いた日から、磐田への移住まで。縁に導かれた上村さんのストーリーを聞いた。
イメージとのギャップから始まった
出身は山口県、しかし福岡県での生活が長かったという上村さん。
転機となったのは、仕事で静岡県を訪れたことだった。
「それまでの静岡県のイメージといえば富士山で、山に雪が積もっている絵が浮かぶので、寒いんだと思っていました」
でも、冬だったのに暖かくて、気候の良さに「いいところだな」という印象を受けました。

その後、知人経由で静岡県内での仕事の話が浮上した。
「そのときに行ってもいいかもと思ったんです」
気候の良さや、人の穏やかさが自分のフィーリングに合う感覚があった。
しかし、仕事の具体的な話が進まなかったという。
それなのに、上村さん自身の気持ちが「静岡に行きたい」に変化していった。
「今の環境を変えたいって気持ちもあったのかもしれません」
移住のための選択肢を探すなかで、地域おこし協力隊という制度を知った。
そこで出会ったのが、磐田市の地域おこし協力隊・観光振興コーディネーターというポジションだった。
移住者だからこその視点
現在の活動は、秋ごろに市内で開催される「いわたおんぱく(いわた温故知新博覧会)」の活動を中心に、市内のスポットを取材したり、地域との交流を深めたりしている。
「磐田のことはまだまだ知らないことばかり。だからこそ、自分自身が『こんな魅力があるんだ!』と発見していく過程をそのまま発信することが大事だと思っています」
全然知らない土地に移住してきて、周りに知り合いも少ない状態。
でも、この仕事を通じてたくさんの人と交流できることも大きなメリットだと言います。
「実際に話してみると、地域のことを想って行動する人が、たくさんいらっしゃるなという印象です」
今後はそんな人々との繋がりから、新しい企画を立ち上げていけるのが今から楽しみだという。
パノラマの空とまちの色を感じる日々
磐田に来て最初に驚いたのは、高い建物がないので空が360度パノラマで見えること。
「毎日、車を運転しているだけで癒されるなーって感じてます」

福岡の生活ではあまり車に乗ることもなかったので、移動についての変化も感じているという。
お気に入りドライブコースは天竜川沿いの道。
「見晴らしが本当にいいので、『毎日の癒しスポット』がある暮らしを、今とても楽しんでいます」
スポーツスタジアムを持つ磐田市。初めてラグビー観戦にも訪れた。
「ルールが分からなかったので、楽しめるか不安だったんですが、モニターで丁寧に解説してくれるので楽しめました」

「会場の周りの催し物もたくさんあって何度も楽しめるので、すっかりハマってます!」
縁が導いた「いいわたし」
磐田市が掲げる『いいわたし』というメッセージ。
そこには『わたし』が磐田市とのつながりで人生をもっと良いものに、充実させて欲しいという意味が込められている。
何か変化を求めていたタイミングと、静岡との出会い。
仕事の話が進まなくても残り続けた「静岡に行きたい」という気持ち。そして地域おこし協力隊という制度との縁。
小さな縁が重なり合って、上村さんを磐田へと導いた。
移住1年目。まだまだ知らないことばかりの磐田。でも、だからこそ発見する楽しさがある。
地域の人々との繋がり、毎日の癒しスポット、そしてこれから作り上げていく新しい企画。
上村さんの取材を通して私が感じたのは、人生は小さな縁の積み重ねだということ。そして、その縁を大切にすることで、新たな世界が見えてくる。

上村さんの「いいわたし」は、地域との繋がりとともに広がっていく。
(2026/2/27 取材)