理学療法士から起業家へ。 磐田市というフィールドで挑戦する「いいわたし」

磐田市を拠点に、企業の健康経営を支援する事業を展開している株式会社Smile Japan

代表の納土 真幸(のうど まさゆき)さんは、理学療法士としてのキャリアを活かし、2024年8月に磐田市で起業した。

事業を進める中で見えてきた、磐田市というフィールドの可能性とは。

 

理学療法士から健康経営支援へ

起業前は、愛知県の医療機関で理学療法士として臨床業務に従事していた納土さん。

キャリアの後半は、スポーツ障害の専門性を高めながら、スポーツ選手の怪我からの競技復帰のリハビリに携わったり、名古屋市の健康づくり事業のサポートにも関わったりしていたという。

医療現場と社会課題との間を行き来するなかで感じたのは、アスリートの方々の健康に対する意欲や自己規律、そして人生に対する熱量の高さだった。

 

「スポーツを継続するということにとどまらず、その健康に対する高い熱量を、地域への影響力が高い現役から広めたい。また選手自身の競技生活が終わってからのキャリアへと活かすことはできないか、とずっと考えていました」

 

病院でできることには、保険診療という枠組みの限界があると感じていた。

 

病院にかからなくて済む健康づくりをするには、予防的に働くことが必要ではないかと考えるなかで、静岡県を舞台にした起業の話が舞い込んできた。

「病院の中で十分に学ばせていただいた経験を活かし、より広く社会に貢献したいと思いました」

 

磐田市というフィールド

納土さんは自身の事業と、磐田市という地域の親和性が非常に高いと感じている。

 

製造業や運送業、そして農業などの一次産業まで、さまざまな業種が揃っており、プロスポーツチームのホームタウンでもある「スポーツのまち」。

 

「健康経営の事業を展開する上で、さまざまな職種や労働環境の特徴を分析できるのは、非常に大きな魅力です」

 

さらに実際に起業し事業を進めていくなかで出会ったのが、2025年5月に立ち上がった健診センター「さくら健康管理メディカルクリニック」。

院長の中山理先生は、スポーツドクターと産業医の両方の免許を持っており、納土さんのキャリアとリンクする部分が多かった。

 

 

現在は、健診センターを経由して企業の健康づくりに携わり、今後はそこにスポーツ選手のキャリアを活かす。その流れを一緒に進めているという。

 

産・官・学・医が揃う環境

実際に起業をして事業を進めるなかで感じたのは、市内のさまざまな立場が連携に意欲的であること。

行政をはじめ、スポーツ科学部を有する静岡産業大学などの教育機関も関心を持っている。

納土さんが連携しているクリニックを含め、「産(産業)・官(行政)・学(大学)・医(医療)」の4つの柱が揃っているという。

「この4つが揃っている自治体は、多くないと思います」

この協力体制を活かし、ドクターや大学、行政が一体となった「地域の健康モデル」を磐田市から作っていきたいと語る。

 

広がっていくキャリア

磐田市が掲げる『いいわたし』というメッセージ。

そこには『わたし』が磐田市とのつながりで人生をもっと良いものに、充実させて欲しいという意味が込められている。

 

最後に納土さんに、実際に地域に入り込んで活動していくなかで感じたことを伺った。

「これまで病院で培ってきたキャリアが、社会に対してこれほど役に立つのか、と実感できたことが一番の喜びです」

病院では「一対一の患者さん」との向き合いだった。

今は社会全体へと広がっている。そこに協力してくれる人たちが磐田市にはたくさんいる。

 

「産・官・学・医」が揃い、連携に意欲的な風土がある磐田市。

納土さんは、事業を展開する上で手応えを感じている。

 

病院の中から、社会全体へ。納土さんの挑戦は、始まったばかりだ。

 

(2026/3/21 取材)

 

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