海外駐在から、地方移住を選択。鳥取で地域の移動を支える、自動車メーカー社員の挑戦

トラックやバスの製造・販売を主軸事業とする日野自動車株式会社(以下、日野自動車)は近年、社会の課題を解決するサービスの展開を進めています。

その一例が、山村地域での共助交通の支援です。共助交通とは、人口減少などを理由に、バスやタクシーといった公共交通の維持が困難な地域において、住民自らがドライバーとなって地域住民を輸送する交通の取り組みです。

2023年に東京から鳥取に移住し、現在も運行管理や事業の推進を担当する川田 尚侑(かわた なおゆき)さんにお話を伺いました。

川田尚侑さん

インタビューを実施した鳥取市の国英(くにふさ)地区。中心市街地から車でおよそ20分の場所に位置する

 

“喜んで来た”
——自ら選んだ、鳥取という道

川田さんは現在、東京から鳥取に移住して、この地で事業の推進に取り組んでいます。鳥取への異動は会社からの指示ではなく、自らの選択でした。「自分で始めたことだし、自分が行きます」と喜んで決めたと話します。

 

この背景には、事業に対する責任感もありました。

「これも何かの縁だろうと思って。自分が作った事業なので、最後まで自分で責任を持って軌道に乗るところまではやりたいと言いました。(鳥取県への異動は、会社から)言われたというよりは、自分で道を作ってきて、今に至るという感じですかね」

 

住む場所を変えるという大きな決断を、自らが選んだ道を貫き通す覚悟と、それを楽しむ軽やかさによって実現しました。

 

海外営業から一転。失敗を経験して出会った、“役に立つ”事業

海外営業を3年間担当し、その後アメリカに1年間駐在した川田さん。帰国後に配属されたのは、“車を売ること以外の分野で、利用者の役に立つ事業やソリューションを作る”を目的に新設された10人規模の部署でした。

「どのような領域で・何を・どのように事業化するかといった裁量を全て担う、大変な部署に配属になりました」と笑いながら振り返ります。

 

川田さんはこの部署でゴミ収集作業の効率化や、負担軽減のサービスの開発を目指し、3年ほど取り組みましたが、事業化には至りませんでした。

ですが、この経験が次の転機をもたらします。

部署内で事業の担当が入れ替わり、過疎地域での共助交通を支援するプロジェクトを進めることになりました。ここで開発したのが「自家用有償トータルサポート」。ドライバーのシフトや予約の管理から、法定の運行管理業務への対応といった、資格を必要とする専門分野まで総合的に管理・運用を行うサービスです。

全国の自治体に営業を行う中で、共助交通の運行管理に課題を抱えていた鳥取の智頭(ちづ)町からサービスを使ってみたいと話を受け、2023年7月に鳥取県内での運用が始まりました。

 

待ったなしの課題が、新しい挑戦を動かした。鳥取から全国へ

人口減少が進む鳥取県内では、公共交通の利用者や担い手が不足し交通インフラの維持が難しくなる地域が増えています。地域住民の移動手段の確保は、待ったなしの課題です。

自家用有償トータルサポートのサービス開始当初、多くの自治体が実績十分でない事業の導入に難色を示すなか、鳥取県・鳥取市が「それでも試してみたい」と、実証段階からの協業踏み切ったのも、この切迫した状況があったからこそでした。

 

地域側の前向きな姿勢については、このように感じたと言います。

「皆さん課題があるからこそ何とかしていかなきゃいけないと前を向かれていて、新しいことに対してもオープンに考えてくださり、使えるものは使って良くしていく。自分たち(の暮らし)を持続できるようにしたいという想いを持っているのかなと感じました」

鳥取市内では6つの地域で自家用有償トータルサポートの事業を展開。運行経路やダイヤは住民が主体となって考案し、通学や買い物・通院など、地域住民の生活を支える交通になっています

 

現在取り組む共助交通の支援については、「鳥取で先進事例を作りながら、全国に波及させる」ことが目標としつつ、「これから発生する新しい課題にも、地域の皆さんと向き合い、伴走して取り組んでいきたい」と、さらなる飛躍への想いを聞かせてくれました。

 

“車を売るだけではなく、利用者のためになる事業やサービスを作る”

川田さんの挑戦はこれからも続きます。

 

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