鳥取×ビジネス——地方での起業・創業のリアルと、新拠点「カトカミ」での共創が描く未来【イベントレポート】

2026年春・鳥取市に新たなビジネス・コミュニティ拠点「カトカミ」が開業します。

本イベントは、「カトカミ」のビジョンを伝えるとともに、本市で活動するゲストの声を通して、企業の進出や起業・新規創業のリアルと、これからの可能性を伝えることを目的に開催されました。

 

登壇ゲストには、鳥取発スタートアップのONESTRUCTION株式会社・西岡大穂さんと、日本各地でインキュベーション施設の運営や、鳥取大学と連携し起業支援に取り組む株式会社ツクリエの小泉祐司さんをお迎えしました。

なぜ鳥取という地を選ぶのか。都市と地方という視点で考える事業展開のヒントや、地域にもたらす社会的なインパクト、この地で取り組む意義についてお話しいただきました。

他にも、“仕事をするだけではない場”としての「カトカミ」の姿と、ここから生まれる共創についても紐解きました。その内容をお届けします。


<トークセッションの内容>

  • ONESTRUCTION株式会社、株式会社ツクリエの取り組み・事業紹介
  • 都市と地方の違い、鳥取の魅力/難しさ/選ぶ理由と意義/地域へのインパクト
  • 新たなビジネス・コミュニティ拠点「カトカミ」について
  • 「カトカミ」での共創と、ここから生まれる新しいビジネスの可能性

▼イベントの様子は、動画でもご覧いただけます。

動画はこちら

 

登壇ゲスト

(左)小泉祐司さん|株式会社ツクリエ シニアマネージャー/StartupSide 東日本統括マネージャー

(右)西岡大穂さん|ONESTRUCTION株式会社 代表取締役CEO

 

鳥取の「いま」:取り組みの現在地

ONESTRUCTIONは、「建設とテクノロジーの架け橋になる」をミッションに掲げる建設テック企業です。

建設業界には様々な課題がありますが、その中でも“人手不足”が分かりやすく、かつ1番の問題になっています。全国におよそ14万人いる一級建築士のうち約7割が50歳以上であり、今後10〜20年の間にこの世代が引退する中で、今まで通りの手法では持続しなくなる危機感を国も抱えています。

様々なルールの変更等が進むなか重要視されているのが、3Dを使った図面です。これまでは2次元の図面で工事が進められてきましたが、3Dデータで事前にシュミレーションすることにより、ミス等を無くしていこうとするのがBIM(ビム)という技術です。弊社は今、この3Dモデルを自動で作成する生成AIの基盤を作ることに挑戦しています。

建設業の変革を鳥取県から起こしていきたいという想いで、鳥取発のスタートアップ企業として世界を目指しています。

 

ツクリエは、スタートアップ・起業支援を行う会社で、関東・関西エリアを中心に全国20ヶ所のインキュベーション施設を運営しています。

東京以外の地域からスタートアップの創出・支援が加速する中で、その地域内だけでは支援しきれない・大都市圏での事業拡大に向けた支援をしてほしいといったご相談をいただきます。それらに対し、コミュニティ事業を通した伴走支援の事業にも取り組んでいます。

他にも、中小企業支援白書の“起業”版となる「起業支援白書」を制作しています。全国の自治体に起業支援に対する意識や実績調査を実施し、ここで得られた情報を基に、各地域の特色を活かした支援を行なっています。

鳥取県においては、起業を支援する側の人材育成セミナーや、鳥取大学と連携し、同学の研究シーズの活用を民間企業と一緒に考えるワークショップを開催しています。

 

ビジネスのリアル

<鳥取の特徴と難しさ>

小泉さん:鳥取で事業に取り組む方は、この地に対する想いが強いと感じています。ルーツがこの地にあることや、街が好きだという考えで“鳥取“を意図的に選んでいると感じており、こうした経済的合理性の外にある想いは、事業を進める上でも大事だと考えています。

都市と地方の違いとしては、事業をスケールする時にリーチできる企業数や、売上げに差が出るなどが特徴として挙げられます。スタートアップに関しては、投資家や金融機関との出会いも限られていますので資金調達に難しさがあると感じています。

この点、西岡さんはどのように資金調達をされたのか気になります。

 

西岡さん:デッドとエクイティは違うものとして捉えています。デッドとしては、創業時から地元の山陰合同銀行さんに支えていただいています。ですが、ここに依存し過ぎず、東京などのスタートアップのマーケットを見ながら、自社の成長シナリオに合わせたファンドを選ぶことが良いのかなと思います。

 

<「鳥取で」取り組む意義>

西岡さん:鳥取であること、それに伴う大きなメリットがあるかと言われれば、“ほとんど無い”が正直なところです。ただ一方で、社会的なインパクトや意義においては、とても大きな意味があると考えています。

例えば、新規雇用創出で考えると、東京で100人の会社ができても数あるうちの1社に過ぎませんが、鳥取でそれが実現すれば周りへの波及効果も大きい。これは地方で取り組む意義なのかなと考えています。

 

ですが、これが地方に居続ける理由にはならないと思っています。首都圏の方が営業や人材確保などの機会が多いなら、ここにも取り組むべきだと考えています。本社が鳥取であっても東京や大阪に拠点を持って事業を展開すれば良いので、地理的制約はありません。だからこそ、それぞれの会社が思い入れのある地域に拠点を持つことは良い戦略だと思っています。

 

<成長に貪欲な企業を間近に見られる環境>

小泉さん:ONESTRUCTIONさんのように事業をスケールさせている方と間近で出会える機会は貴重と思っています。

西岡さん:成長に貪欲な企業が隣にいるということは、周囲に刺激をもたらすと考えているので、この環境を当たり前にすることを頑張りたいなと思っています。

 

新拠点「カトカミ」への期待

▶︎プロジェクトの背景や、目指す姿についてはこちらのレポートをご覧ください。

 

  • 小泉さん “コミュニティマネージャー”

日本各地のインキュベーション施設やコワーキング施設を見る中で、その場所が盛り上がるには、コミュニティマネージャーが人と人をゆるやかに繋いでいることが必要だと考えています。ビジネス的なもの以外にも、雑談的に地域の人や、偶然鳥取を訪れた人などを媒介することが、カトカミを明るい未来のある場所にすると考えています。

 

  • 西尾さん(鳥取市 企業誘致担当) “「仕事×交流」で未来をつくる”

カトカミは仕事をするだけの空間ではなく、多様な世代・立場の人が訪れ交流することを目指しています。新たなビジネスのきっかけが生まれ、鳥取の課題解決に繋がるような事業が生まれることを期待しています。

 

  • 西岡さん “「鳥取らしくないことが日常になる場所に」/「鳥取らしさ」を触れてもらえる場所に”

鳥取の人にとっては、カトカミが「鳥取らしくない」ことが日常的に起こる場になってほしいという考えがあります。それは、スタートアップ的な動きや新規創業など、様々なテーマがあると思っています。一方、外から仕事や旅行で訪れる人にとっては、鳥取らしさを感じられる生活、魅力や良さを活かした事業に触れられることが重要だと思っています。「らしさ」「らしくない」が見る人によって変わるような場所になれば良いなと考えています。

 

カトカミから生まれる「共創」

西岡さん:目的が他の会社であっても、カトカミへの訪問をきっかけに弊社のことを知り、それが新たな仕事や会社の紹介に繋がることがあると考えています。また、カトカミ内で会社の枠を超えた同期のような関係性が生まれると、企業が相互作用的に強くなると思っています。1社だけでは限界もあるので、ここは鳥取市さんに協力いただきたいなと考えています。

小泉さん:共創は放っておいてもなかなか生まれるものではありません。ONESTRUCTIONさんのように出てきてくれるのは大変貴重だと思っています。大半の方はオフィスに出勤するだけなので、まず0から0.1の関係性を作るようなきっかけがあること、それをコミュニティマネージャーが促すことで共創が生まれると考えています。

参加者の声

・地域の課題をビジネスに変えるという点が興味深かった

・新拠点の背景や狙いを知ることができた

 

2026/3/4

 

\本レポートの様子は下記ボタン『動画を見る』より、ご覧いただけます/

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