「お母さんやお父さんが笑顔いっぱいだと、子どもも笑顔になるじゃないですか。けど、大人だって心に余裕がないと笑顔になんてなれないから」
大牟田の銀座通り商店街にある託児所リフレイル。

名前の由来は、リフレッシュとスマイル。施設を利用することで、リフレッシュして笑顔になってほしいという想いは、代表の戸澤(とざわ) あきこさんから子育てを頑張る親たちに向けたもの。
リフレイルのサービスの基点は「親」
託児所というと、「元気いっぱい」「動き回れる」「みんな仲良し」など、子どもを主体としたメッセージングをしているところも多い。
一方、リフレイルのWebサイトにあるメッセージは「笑顔で明日もがんばるために、時間をつくるお手伝い」と、親を主体としている。
「子どもを産むと、親は自分のことは後回し。食事も買い物も全部子ども中心になりますよね。でも、親だって、ひとりの人間です。リフレッシュは必要で、そのために自分の時間をとってほしいんです。そのためのリフレイルです」

「とにかく、ママ・パパの味方です!って、伝えたいです。子どもを預けるのに理由なんてなくてもいいから、『よかよか!休まんね!』って」
にっこり微笑む戸澤さんは、二人の子育てを経験している。利用者にとって頼れる先輩ママのような存在になっているのだろう。

親の誕生日や結婚記念日に使える割引など、親を基点にした割引サービスもある。
「自分の誕生日だから、自分のために使うぞって、気持ちになってくれる方がでてきたり、利用者さんたちの考え方にも、変化があるのが嬉しいです」
「理由なく預けていい」
託児所をつくった原体験
戸澤さんが親に寄り添う姿勢の裏には、11年間勤めた精神科病院での気づきと自身の子育て経験があった。
「精神科病院で働いていた当時、子どもの受診が増えていっていて、なんでだろうなって話を聞いていると、実はお母さんが追い詰められていてすでに不調になっていることが多かったんです。親のメンタル不調がダイレクトに子どもに影響してしまっていたんです」

戸澤さん自身、子育てのスタートは、地元の大牟田ではなく、縁もゆかりもない東京の地だった。周りのサポートがない子育てに大きなストレスを抱えていたそう。
そうした経験もあり、追い詰められたお母さんたちのことを、他人事とは思えなかった。
「子育てをしていた頃に自分がほしかったものを考えた結果、託児所を作ったんです。大牟田は転勤で来られているご家庭も多いので、子育ては家庭内でどうにかしなきゃと抱えこんでいる親御さんも多いんじゃないかなと」
「美容院に行ったり、買い物したり、カフェで一息ついたり、休むのに理由なんてなくていいんです。『今日は自分の時間をとろう』って気軽に使ってほしいですね」
子どもたちの「楽しくて帰りたくない!」を目指す
親が、安心して子どもを預けられるよう、子どもたちがリフレイルを好きになってくれることも、とても大切。

「託児所が楽しくて『帰りたくない!』って泣き出す子どももいるんですけど、それこそ目指す状態です」
実際にリフレイルを利用されている方に、お話を伺ってみる。
遠方から転勤で大牟田へ来られた方は、ネット検索でリフレイルを知ったそう。
「転勤で移住して、頼れる人が近くにいなくて。リフレイルの存在にはとても助けられています。子どもたちが先生大好きなので、安心して預けられています」

土日に仕事があるため、預け先を探していたところ、リフレイルに辿り着いたという方も。
「活発な子どもなので、暴れすぎないか心配だったんですけど、先生方がうまく遊んでくださって。こういう場所があって本当にありがたいです」
リフレイルの利用者は、リピーターが大半だそう。

「育児は自分でやらなきゃって気負っちゃって、預けることにハードルがあるんですよね。でも、一度うちに預けてみて、子どもが楽しんだのを知ると、安心してリピートしてくださいます」
「健康的な母子分離」が必要
最近は、企業の福利厚生として託児所の利用ができる企業提携を増やしているという。現在、大牟田市内で8社の契約がある。
「親も子どもも健やかであるために、親がリフレッシュ時間をとることが当たり前の世の中になっていったらいいなと思ってます。企業の福利厚生にリフレイルがあると、それを理由に利用しやすいので、企業提携には今後も力をいれていきたいと思っています」
戸澤さんの願いが、大牟田の商店街の一角にある託児所から広がっていく。
そう感じさせる言葉で、締めくくってくださった。
取材後記
戸澤さんに初めてお会いしたときに感じたのは、包み込んでくれるような穏やかで優しい空気感でした。
一方、取材を進めるうちに、柔らかな笑顔の奥にある、揺るぎない芯の強さも感じました。
それは、今の子育てママ・パパを取り巻く「親ならこうあるべき」という空気への、強い違和感です。戸澤さんは自身の原体験を軸に、意志を持ってリフレイルを立ち上げられました。
「ママやパパの味方でありたい」
という言葉から、まるで子を守る母親のような愛情を感じました。
戸澤さんは、子育てに日々奮闘する親御さんたちにとって、「お母さん」のような存在なんじゃないかと思います。

リフレイルの施設や子どもたちの様子を動画でも公開しています。
託児は、卒乳後〜小学六年生を対象とし、LINEでの予約制。
朝早い時間帯のお預けや、お子さんが卒乳前の場合でも、LINEで問い合わせがあれば、相談しながら柔軟に対応されているそうです。